ゲーム機って、いつからこんなに高くなった?
最近のゲーム機の価格を見ていると、感覚がおかしくなってくる。
6万円を見て「まあ、このくらいか」。
8万円を見ても「ちょっと高いな」。
10万円近くても「今はそんなものなのか」と思い始める。
でも、少し前までゲーム機はそんな商品ではなかった。
少なくとも普通の家庭にとっては、誕生日やクリスマスに親が頑張れば買える「ちょっと高いプレゼント」だったはずだ。
ところが2026年、かなり景色が変わっている。
PS5は約10万円、PS5 Proは約14万円
2026年4月2日の価格改定後、PlayStation 5の希望小売価格は次のようになった。
| ゲーム機 | 希望小売価格(税込) |
|---|---|
| PS5 通常版 | 97,980円 |
| PS5 デジタル・エディション | 89,980円 |
| PS5 Pro | 137,980円 |
| PS5 デジタル・エディション 日本語専用 | 55,000円 |
| Nintendo Switch 2 日本語・国内専用 | 59,980円 |
| Xbox Series S 512GB | 82,480円 |
PS5通常版は97,980円。PS5 Proに至っては137,980円だ。ソニーは価格改定の理由として、世界的な厳しい経済環境の変化が長期化していることを挙げている。
Nintendo Switch 2の日本語・国内専用モデルも現在59,980円。Xbox Series S 512GBはMicrosoft Storeで82,480円となっている。
もちろん、それぞれ性能も設計思想も違う。
問題はそこではない。
普通の家庭が子どもにゲーム機を買おうとしたとき、5万円、8万円、10万円という現金が必要になってきたことだ。
昔は3~4万円が「普通のゲーム機」の感覚だった
2014年に日本で発売されたPS4は39,980円(税別)、税込41,979円だった。
2017年発売の初代Nintendo Switchも29,980円(税別)。当時の消費税8%で考えれば税込約32,400円だった。
もちろん物価も為替も半導体事情も違うので、単純比較だけでメーカーを責める話ではない。
それでも家庭の財布から出ていく金額として考えれば、変化は大きい。
PS4発売時の約4.2万円に対して、現在の通常PS5は約9.8万円。
2倍を超えている。
昔なら「ゲーム機を買って、ソフトも1本か2本買おうか」という金額が、今では本体だけで消える。
5万円だったSwitch 2ですら「高い」が過半数だった
興味深いデータもある。
Switch 2がまだ49,980円だった2025年、全国の一般生活者2,882人を対象に行われた調査では、価格を「高いと感じる」と答えた人が53.5%だった。
「適正」が42.2%、「安い」はわずか4.3%だった。
つまり、ネット上では「5万円なら思ったより安い」という声が話題になっても、普通の生活者まで含めれば、すでに半数以上が高いと感じていたわけだ。
しかも現在の日本語・国内専用Switch 2は59,980円。
ゲーム好きの金銭感覚と、普通の家庭の金銭感覚は分けて考えた方がいい。
ここで中古ゲーミングPCが入ってくる
そして今、面白い逆転現象が起きている。
「ゲーム機は安くて、ゲーミングPCは高い」という昔ながらの常識が、価格帯によっては崩れ始めている。
2026年10月にパソコン工房の中古在庫を確認すると、例えば次のようなRTX 3060搭載機が実際に掲載されている。
| CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 中古価格 |
|---|---|---|---|---|
| Core i5-11400 | RTX 3060 12GB | 16GB | 512GB SSD | 89,980円 |
| Core i7-10700 | RTX 3060 12GB | 16GB | 500GB SSD | 99,980円 |
| Ryzen 7 5700X | RTX 3060 12GB | 32GB | SSD計約1TB | 99,980円 |
在庫は常に入れ替わるため、この価格でいつでも買えるという意味ではない。しかし、RTX 3060搭載中古PCが実際に9~10万円前後まで降りていることは確認できる。
PS5 97,980円 vs RTX3060中古PC 98,978円
さらに面白い比較をしてみよう。
パソコン工房では、対象となる44,000円以上の中古PCについて、1年間保証への延長料金は本体価格の10%となっている。
89,980円のRTX 3060中古PCなら、1年間保証を付けた場合は約98,978円。
| 選択肢 | 価格 |
|---|---|
| PS5 通常版 | 97,980円 |
| RTX3060中古PC 89,980円+1年保証 | 約98,978円 |
差はわずか998円。
ここまで来ると、庶民としては一度立ち止まって考えた方がいい。
約10万円を出してゲーム専用機を買うのか。
それとも同じ約10万円で、ゲームもできるWindows PCを買うのか。
PCならゲーム以外にも使える
ここが家庭目線では大きい。
ゲーミングPCなら、ゲームだけでは終わらない。
学校の課題、Google Meet、ブラウザ、Office系作業、AI、画像編集、動画編集、プログラミング、ネットショップ運営などにも使える。
子どもが高校生になれば、PCを使う場面はさらに増える。
もちろんRTX 3060は最新GPUではない。
しかしフルHD中心でゲームをする中古ゲーミングPCとして考えれば、今でも十分に検討対象になる。
そして重要なのは、「RTX 3060がPS5より絶対に上」という単純な性能勝負ではない。
同じ10万円を家庭から出すなら、その10万円を何用途に使えるか。
庶民にとってはこちらの方が重要だ。
もちろんゲーム機の方が向いている家庭もある
だからといって、全員がPCを買えばいいわけでもない。
ゲーム機には明確な強みがある。
買って接続すればすぐ遊べる。PCほど設定を気にしなくていい。リビングで家族と遊びやすい。Nintendoのゲームを遊びたいならSwitch 2が必要になる。
PS5にも日本語専用デジタル・エディション55,000円という安い選択肢が残っている。
「ゲームだけを簡単に遊びたい」という家庭なら、ゲーム機を選ぶ理由は十分ある。
しかし10万円前後のモデルを検討するなら話は変わる。
その価格帯からは、もう中古ゲーミングPCも必ず比較した方がいい。
兄弟2人に1台ずつ、となればさらに重い
家庭ではここも現実的な問題だ。
PS5通常版を兄弟2人に1台ずつ買えば、本体だけで195,960円。
ここにソフトや周辺機器を追加すれば20万円を超える。
もはや「子どものゲーム機」という感覚だけでは判断できない金額だ。
家族共用にする。
中古を選ぶ。
旧世代を使い続ける。
あるいはPCにしてゲーム以外にも使わせる。
家庭側も選択肢を増やさなければならない。
庶民に必要なのは「欲しい機種」より10万円の使い道
ゲーム機そのものが悪いわけではない。
メーカーが理由もなく価格を上げているわけでもない。
しかし、家計から出ていく10万円は10万円だ。
「みんなPS5を持っているから」
「新型だから」
「子どもが欲しがっているから」
それだけで10万円を出せる家庭ばかりではない。
特に今は、中古PCという別の選択肢が同じ価格帯まで降りてきた。
ゲーム機が3万円だった時代なら、「ゲームをするならゲーム機」でよかった。
しかしゲーム機が8万円、10万円、14万円になった現在は違う。
10万円出すなら、ゲーム以外に何ができるのかまで考える。
これはゲーマーの話ではない。
普通の家庭が限られた金をどこへ使うか、という家計の話になってきている。
ゲーム機を買う前に、一度だけ中古ゲーミングPCの価格も見てみる。
2026年は、それが当たり前になってもおかしくない時代なのかもしれない。



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