私はもともと、どちらかと言えばXboxを応援してきた。
Game Passにも何度か加入した。
そして、やらなくなれば解約する。また気になるゲームが出てくれば加入する。
そんな使い方を繰り返してきた。
Game Passが悪いサービスだとはまったく思っていない。
むしろゲームの本数だけを見れば、とんでもなく豪華だ。
MicrosoftはBethesda、Activision Blizzardなど巨大なゲーム会社を次々と傘下に収め、Xbox陣営には膨大なゲーム資産が集まった。
ところが、ずっと一つの違和感があった。
「ゲームは大量にある。でも、なぜか一つのゲームをずっとやり込んでいない」
そんな状態が続いていた。
そもそもPS5は、自分で遊ぶために借りたものではなかった
私のところにPS5が来た経緯も少し変わっている。
もともとはNURO光のリースで借りたPS5だった。
春来が使っていた以前のPCではVALORANTの動作要件でも問題が出ており、Fortniteを遊ぶ環境としてPS5を利用していた。
ところが2026年10月、パソコン工房でCore i5-9400F、GeForce GTX 1660 Ti、メモリ16GBの中古ゲーミングPCを購入した。
本体44,980円、1年の中古延長保証を付けて合計49,478円。
春来のFortnite環境は再びPCへ移った。
そして、それまで春来が使っていたPS5が私のところへ来た。
そこで初めて、私はPS5のゲームを自分で真面目に見るようになった。
PS5を触って最初に感じたのは「作品の顔が見える」ことだった
ゲームカタログを眺めていて、Xboxとは少し違う感覚があった。
例えばPlayStation側には、
- Ghost of Yōtei
- Marvel’s Spider-Man 2
- ASTRO BOT
- DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH
といった、タイトル単体で「これをやってみたい」と思わせる作品が並んでいる。
もちろん、Xboxにも面白いゲームはある。
Halo、Forza、Gears、Fable。
そしてMicrosoft傘下まで広げれば、Call of Duty、Diablo、DOOM、Fallout、The Elder Scrolls、Minecraftまである。
ゲーム資産だけを数えれば、むしろMicrosoftの方が恐ろしい。
だが問題はそこではない。
500本あっても、結局遊ぶのは1本である
ここで私は、Game Passに入ったりやめたりしていた理由が少し分かった。
選択肢が少ないからやめたのではない。
選択肢が多すぎるのに、「これをずっとやりたい」という一本が自分の中で決まらなかった。
ゲームというのは不思議だ。
動画配信なら、映画を一本見終わったら次を見る。
音楽なら何百曲あっても次々と聞ける。
しかしゲームは違う。
本当にハマったゲームなら、一作品だけで数十時間、場合によっては何百時間も使う。
『ELDEN RING』のような作品なら、一つの世界を延々と探索する人もいる。
Fortniteなら何年も遊び続ける人がいる。
つまりゲームサービスの価値は、単純に「何本置いてあるか」だけでは測れない。
「その中に、自分の100時間を使いたいゲームがあるか」
の方が重要なのではないか。
ここでGeForce NOWの「4,500本」と「100時間」がぶつかる
NVIDIAのGeForce NOWは、対応・利用可能なPCゲームを4,500本以上まで拡大している。
Steam、Epic Games、GOG、PC Game Pass、Ubisoft Connectなど複数のゲームライブラリと接続できる。
数字だけを見れば圧倒的だ。
ところがPerformanceとUltimateには現在、原則として月100時間のプレイ時間枠がある。
未使用分は最大15時間まで翌月へ繰り越せるが、100時間を使い切れば追加時間を購入するか、次のリセットを待つことになる。
ここで妙なことが起こる。
4,500本あっても、100時間しかない。
極端な話、一本のRPGに100時間ハマれば、その月はそれで終わりだ。
4,499本は遊ばない。
つまりクラウドゲームが成熟していくほど、ゲーム本数を増やすだけでは価値を説明できなくなる可能性がある。
Microsoftは巨大な「ゲーム図書館」を作った
Microsoftはこの数年間、とにかくゲーム資産を集めてきた。
その規模は文句なしに巨大だ。
しかもNVIDIAとは、XboxのPCゲームをGeForce NOWへ提供する長期契約も結んでいる。
Microsoft自身が持つ巨大なゲーム資産をNVIDIAのクラウドから利用できる方向へ進んでいる。
Microsoftが本を集める。
NVIDIAが、その本を読むための高性能な閲覧室を用意する。
そんな関係にも見える。
これはユーザーにとっては便利だ。
しかしXboxというゲーム機から考えると、少し複雑である。
FableもForzaも広がる――Xboxでなければならない理由は何か
Microsoftは近年、自社タイトルをXboxだけに閉じ込めず、PCや他機種にも広げる方向を強めている。
これはMicrosoftのビジネスとして見れば理解できる。
ゲームを一台のハードに閉じ込めるより、できるだけ多くの場所で売った方が市場は大きくなる。
Game Passにも入れる。
PCでも売る。
PlayStationでも売る。
GeForce NOWからも利用できるタイトルを増やす。
Microsoftが「Xboxという箱」ではなく「ゲームを世界中へ配る会社」へ進むなら、理にかなっている。
ただしユーザー側には当然、一つの疑問が残る。
「ではXbox本体を買う理由は何なのか?」
PS5の強さは「蔵書数」ではない
PS5に面白くないゲームがないわけではない。
Xboxに名作がないわけでもない。
そんな単純な話ではない。
違うのは、プラットフォームの作り方だ。
PlayStationは今でも、
「このゲームを遊びたい」
という一本からハードへ入っていく導線が比較的分かりやすい。
一方でMicrosoftは、
「ここへ来れば大量のゲームがあります」
というサービス型へ大きく寄った。
これはNetflixのような映像サービスなら非常に強い戦略だ。
しかしゲームでは、必ずしも本数が多ければ多いほど利用時間が増えるとは限らない。
NVIDIAにとって本当に必要なのは4,500本なのか
ではNVIDIAは間違っているのか。
私はそうは思わない。
NVIDIAがゲームを作る必要はない。
NVIDIAの役割は、最高クラスのGPU性能をクラウドから提供することだからだ。
GeForce NOWはゲーム会社ではなく、ゲームを動かすインフラである。
だから4,500本という巨大な対応数にも意味はある。
問題は、その次だ。
クラウドゲームが一般化したとき、勝負を決めるのは「対応本数」だけではなくなる。
NVIDIAが4,500本を用意しても、その中にユーザーが100時間すべて使いたい一本がなければ意味がない。
逆に、たった一作品でも100時間遊ばせるゲームがあれば、そのクラウドには毎月戻ってくる理由が生まれる。
Xboxを応援してきたからこそ、今のMicrosoftが惜しく見える
私はXboxを嫌っているわけではない。
むしろ最初はXbox側を応援していた。
だからこそ、今の状況が少し惜しい。
Microsoftには資金がある。
スタジオもある。
Call of Dutyもある。
Diabloもある。
Falloutもある。
HaloもForzaもGearsもある。
これだけ持っている企業はほとんど存在しない。
それなのに私自身はGame Passへ加入し、少し遊び、そして解約することを繰り返してきた。
一方、偶然自分の手元へ来たPS5を触ってみると、
「これ、一つずつ遊んでみたいな」
と思える作品が目についた。
この違いは何なのか。
サービスの本数だけでは説明できない。
まとめ:クラウド時代だからこそ「強い一本」が必要になる
GeForce NOWには4,500本以上ある。
Xboxには巨大なゲーム資産がある。
Game Passにも大量のゲームが並んでいる。
それ自体は間違いなく価値だ。
しかし人間の時間には限界がある。
ましてGeForce NOW Ultimateには月100時間という明確な時間枠まである。
だったら必要なのは、4,500本を眺めることではない。
「この100時間を全部使ってもいい」と思わせる一本ではないだろうか。
NVIDIAは世界最高クラスのゲームインフラを作ろうとしている。
Microsoftは世界最大級のゲーム図書館を作った。
そしてSonyは今も、「このゲームを遊びたい」という作品をPlayStationへ集め続けている。
この三社は同じゲーム市場にいながら、実はまったく違うものを作っている。
PS5が偶然私の手元に来たことで、その違いがかなり見えるようになった。
クラウドゲームの次の勝負は、ゲームの本数ではない。
誰が「100時間を奪える一本」を持っているか。
私はそこが、一番重要になると思っている。



コメント