地図を開けば、次の目的地に印が付いている。
画面には黄色い線が表示され、あとはその線を追いかければ物語が進んでいく。
近年のゲームでは、それが当たり前になりました。
ところが『Hell is Us』には、その当たり前がありません。
マップなし。
コンパスなし。
クエストマーカーなし。
次にどこへ行くべきかを示す、親切な矢印もありません。
頼れるのは、登場人物が話した言葉、道路標識、建物の形、そして自分の記憶です。
今回紹介するのは、Xbox Game Pass版『Hell is Us』のプレイ動画。
内戦によって引き裂かれた土地を歩きながら、自分の目で進むべき場所を探していきます。
ゲームに案内されるのではなく、自分で旅をする。
忘れかけていた探索の感覚を、真正面から突きつけてくる作品です。
Xbox Game Pass版『Hell is Us』プレイ動画
内戦と怪物に覆われた国を進む
『Hell is Us』の舞台となるのは、内戦によって外の世界から切り離された国です。
町や村には争いの跡が残り、道路には軍用車両や検問所が置かれています。
しかし、この土地を脅かしているのは人間同士の戦争だけではありません。
正体不明の惨禍によって、現代兵器では倒せない異形の怪物が出現しています。
銃を持った兵士が争う現実的な戦場と、人間とは思えない白い怪物が歩く超常的な世界。
二つの異常が同じ土地に存在しているため、どこを歩いても安心できません。
遠くに人影が見えても、生存者なのか、兵士なのか、それとも怪物なのか分からない。
近づいて確かめるまでは、何が待っているのか判断できないのです。
画面に次の目的地は表示されない
本作を特徴づけているのが、プレイヤーを必要以上に案内しない探索システムです。
依頼を受けても、画面の端に目的地までの距離は表示されません。
地図を開いて、光っている印へ向かうこともできません。
例えば、登場人物から「村を抜けた先にある建物へ向かえ」と言われたなら、その言葉を覚えて実際に道を探します。
分かれ道に来たら、標識を読む。
遠くに塔が見えたら、建物の位置を覚える。
一度通った場所では、壊れた車や特徴的な家を目印にする。
現実の知らない町を歩く時と同じように、周囲の風景から情報を集めなければなりません。
道を間違えれば迷います。
けれども、正しい道を自分で見つけた時の感覚は、矢印を追いかけた時とはまったく違います。
話を聞かなければ手掛かりを失う
目的地表示がない以上、登場人物との会話も聞き流せません。
誰がどこにいるのか。
以前、何が起きたのか。
どの道が封鎖され、どこからなら先へ進めるのか。
何気ない会話の中に、次の行動へつながる情報が含まれています。
机に置かれた書類や手紙も、ただの世界観説明ではありません。
人物の名前、場所、暗証番号、事件の順番など、探索に必要な手掛かりになる場合があります。
つまり本作では、文章を読んだこと自体が攻略になります。
会話を飛ばし、周囲を見ず、正面だけを走っていると、すぐに進むべき場所が分からなくなります。
敵を倒す腕だけでなく、情報を拾う注意力が求められるゲームです。
迷うこともゲームの一部になっている
目的地が表示されないゲームと聞けば、面倒に感じる人もいるでしょう。
実際、道を間違えたり、同じ場所を何度も歩いたりすることはあります。
しかし『Hell is Us』では、その迷う時間も探索の一部として作られています。
間違った道へ入ったことで、誰かが残した手紙を見つける。
目的地とは違う建物を調べたことで、新しい装備や情報を手に入れる。
遠回りした結果、最初は気づかなかった景色の意味が分かる。
一直線に物語を進めるだけでは見えないものが、寄り道の中に置かれています。
効率だけを考えれば、目的地表示がある方が早い。
それでも、すべてを案内されないからこそ、プレイヤー自身の体験が残ります。
銃ではなく剣とドローンで怪物と戦う
探索中には、正体不明の怪物との戦闘も発生します。
怪物には現代兵器が通用しないため、主人公が使うのは剣や斧、槍などの近接武器です。
敵の攻撃を避け、受け流し、隙を見つけて武器を振るう。
多数の敵へ無闇に突っ込めば、簡単に囲まれます。
そこで役に立つのが、主人公と行動を共にするドローンです。
ドローンで敵の注意を引きつけ、その間に別の怪物を攻撃する。
敵の動きを一時的に止めて、態勢を立て直す。
剣だけを振り回すのではなく、怪物の位置と数を見ながら戦う必要があります。
静かな探索から突然戦闘へ切り替わるため、何もいないように見える場所でも油断できません。
ただ暗いだけではない不気味な世界
『Hell is Us』の世界は、単純に画面を暗くして恐怖を演出しているわけではありません。
放棄された家。
止まったままの車。
争いの跡が残る道路。
そして、人間の形を残しながらも人間ではない怪物。
何が起きたのかをすべて説明せず、風景から想像させる作りになっています。
誰もいない場所でも、少し前まで誰かが生活していた痕跡がある。
その痕跡を見るたびに、この土地で起きた出来事の重さが伝わってきます。
怪物が突然飛び出してくる恐怖だけではありません。
人間同士の憎しみや争いが積み重なった世界そのものが、不気味なのです。
Xbox Game Passだから試しやすい一本
『Hell is Us』は、親切な目的地表示に慣れた人ほど、最初は戸惑うゲームです。
次に何をすればよいのか分からない。
道が合っているのか不安になる。
会話を聞き逃し、手掛かりを探し直すこともあります。
その一方で、自分で道を見つける探索が好きな人には、強く刺さる可能性があります。
現在はXbox Game Passの対象となっているため、購入前に自分と合うか確かめやすくなりました。
まずは動画で、目的地表示のない探索、内戦下の重い空気、怪物との近接戦闘をご覧ください。
案内されないことを不親切と感じるのか。
それとも、自分で発見できることを面白いと感じるのか。
その違いが、このゲームを楽しめるかどうかの分かれ目になります。
自分の目で見つけた道だけが正解になる
『Hell is Us』は、プレイヤーへ何も教えないゲームではありません。
必要な情報は、人々の言葉や書類、道路、建物、風景の中に置かれています。
ゲームが答えを画面に表示しないだけです。
話を聞き、周囲を観察し、頭の中で情報をつなぎ合わせる。
そうして見つけた道は、誰かに案内された道ではありません。
自分で発見した、自分だけの道です。
地図も、コンパスも、目的地表示もない。
内戦と怪物に覆われた土地を進む『Hell is Us』の旅を、プレイ動画でお楽しみください。


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